Films:Oct.2025『四月』ほか
10月に観た映画19本
1.森崎東『ラブ・レター』
出だしの山本太郎!顔つきが令和な今と全然違う〜メロリンQ。
中井貴一もすごい良い味出まくってた。
事務所の頭上注意でいつ頭ぶつけるのか期待してたけど、誰もぶつからず。
90年代末期の片隅の底辺で生きる二人が哀しすぎる。
2.オタール・イオセリアーニ『落葉』
ずーっと観たかったイオセリアーニ。
旧ソ時代の抑圧を匂わせながら、若い青年の社会デビューでの散々が静かながら淡々と描かれていてしんみりよかった。
ジョージアのワインって飲んだことないのでぜひ飲んでみたいし(もちろんゼラチンなしの)、シュクメルリやシャシリクだけじゃないチジビジなるジョージア料理も食べたいなぁ〜
3.三村晴彦『天城越え』
田中裕子がめちゃんこ綺麗でエロくてクラクラする。
そりゃーもう耐性ない少年が出会ってしまったら人生狂うわね。
4.山田洋次『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』
京都も鎌倉も今では幻のようなのんびり観光地の昭和。
安定の貴賤問わずなぶっ込み具合なトラちゃん。
人間国宝の片岡仁左衛門をもしっかり虜にしちゃい、ジュンくんのお母さんと混乱しちゃういしだあゆみとの関係。
京都の民藝な風なお家いいなぁー。
5.オタール・イオセリアーニ『珍しい花の歌』
ロシア語ナレーションは意に反するので訳しません(キリッ!)と、言われると逆に気になるけど聞き取れる訳がない。
ほのぼのジョージアのお花育てるオンジのほっこりと思いきやラストでパンクしてる。
6.オタール・イオセリアーニ『水彩画』
たった10分に込められた家族のはなし。
美術館に迷い込み、自宅を再発見。
7.オタール・イオセリアーニ『四月』
素朴な恋人から物欲にまみれた暮らしに。
いくらなんでもテーブル多くない?とまさに座る場所もなくノイズに溢れる現代化してゆく暮らし。
お向かいさんの楽器オヂたちや筋肉オヂ、バレエの子。全然普通じゃないのがまた独特で良いなー。
はじめの家の感じとかちょいちょいタチっぽさも感じるし、だんだんと狂ってくのと反骨精神ビンビンでたまらん。
8.成瀬巳喜男『女が階段を上る時』
階段を上がる足捌きだけでその時の心情を表現しつつ綺麗なデコちゃん。
自分で全てを背負いこみ強く生きていく銀座の女の姿は惚れ惚れする。
銀座は変わらずも、今じゃ佃島のあたりの方が見栄張れる場所っていうのも時代で価値が変わっていくのね。
9.オタール・イオセリアーニ『鋳鉄』
素朴なジョージアの鉄工所の営み。ハードな仕事の合間の鉄焼きシャシリクがうまそー
10.オタール・イオセリアーニ『ジョージアの古い歌』
ジョージアの伝統音楽を各地方別にお届けしてくれる。あー堪らなくよい!
それぞれの地方色ものぞいて、羊毛やパン焼きにと素朴すぎる暮らしが大好物すぎた。
11.オタール・イオセリアーニ『歌うつぐみがおりました』
マルチタスク具合が見ていてこちらまで大変不安になってくる。
時間とノイズに飲み込まれて忙しいのに何にも進まない一日。
続く二日目の伏線からのラストまで、受難。
12.ウディ・アレン『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』
ほーんとくだらないし、今だと嫌われちゃいそうな不謹慎な性のネタ。
まだまだ元気だったウディ・アレン。ソドミーって言葉はこれで初めて知ったけど、だいぶ飛躍してるよね***
13.山下耕作『脱走遊戯』
どさくさ脱獄からのヘリで生着替えする千葉ちゃん。
脱獄から脱獄屋へのジョブチェンジから終始軽快で大胆なアクションの数々。東映ヤクザみてぇなぁ〜!が一番笑った。
14.オタール・イオセリアーニ『田園詩』
こんな合宿が出来たらなぁ、という感じのほのぼの田舎まちでのひと夏。
B&Bの少女の視点が素朴。雨水路の手動切り替えが新鮮すぎた。
祭りじゃー!な感じのナーンみたいのと鶏に豚にの宴のごはんがうまそうすぎるので、わたしも出来る事ならばお邪魔したいー!
15.成瀬巳喜男『女の座』
大家族のなかで血のつながりのない未亡人、デコちゃん。
昔の大家族ってこんなだったのかなー?とか田舎の方の親戚の集まった葬式思い出す。
草笛光子のイジワルなオールドミス感最高に怖いい!しピリピリした人間関係の後の笠智衆のほっこり纏めてくれて泣ける。
関東煮っておでんなのかな?がんもどき食べたくなる。
16.スタンリー・クレイマー『手錠のままの脱獄』
タイトルまんまなんだけど、人種を超えた脱獄ものとしてもラストに向けての熱いバディの見えない鎖が泣ける。
あまりにも勝手な女さんの居る迷い込んだ先の家での煮込みパンは美味そう〜!
17.木下恵介『日本の悲劇』
なんとも、まぁ悲劇。
戦後に子のためだけに頑張ってきた母ちゃんと、そんな母ちゃんの愛し方とは別に厳しさの中で生き抜こうとしていくアプレの子たちそれぞれの苦しみ。
生きてくって大変だし、私絶対この時代には生きていける自信ないや...と思ってしまう。
今までみたなかでもピカ一に最高苦しい泣き高杉早苗!胃が痛い。
母との別れのシーンでラジオから流れるミサ曲とかまでしんみり。
18.アニエス・ヴァルダ『カンフー・マスター!』
家族ぐるみの、ほぼリアルな家族によるハラハラする母の恋。
パリの家もロンドンの実家もガンジーだかそんな雰囲気の島の別荘?も羨ましすぎる素敵物件で、
ジェーンもシャルロットもまだちっこいルーもさりげなパリジャンお洒落すぎて真似したくなりすぎるけど、
それらをすっ飛ばしてぶっ飛ばす年齢など超えまくる愛。さすがは巴里のひと。
海藻すらも着こなすジェーンやば。
ちょっと理解が追いつかないうえに、相手のマチューはアニエスの息子!
再び服の方のアニエスプレッション欲しくなっちゃうなぁ〜。
19.山田洋次『なつかしい風来坊』
見覚えのある感じの快速車両にて痔でくるしむ有島一郎の姿から楽しいOP。
ハナ肇の無骨で不器用なおとことの凸凹おんじな出会いと、幸薄な倍賞千恵子との淡すぎる恋。
茅ヶ崎のロケーションと森崎東節も効いてとてもじんわーり、ええわぁ。
茅ヶ崎のお宅の昭和なインテリアも木の風呂も広い庭もええわぁ〜。
いつも参戦してくるお隣の奥様も良いエッセンス。