Films:Sep.2021『さよなら、私のロンリー』ほか

9月にみた映画22本のまとめ。
なんでかシャーリー・マクレーンにづいてる今月。
グリーンファッションとワンコ抱えて可愛すぎる娼婦とコミカルなジャック・レモンとの掛け合いから嘘のパリ雰囲気にラストのまで全てが最高な、ビリー・ワイルダー『あなただけ今晩は』から始まり、ウィリアム・ワイラー『噂の二人』は同性愛疑惑で当時のの窮屈さが苦しい作品だけどオードリーとの共演でそれぞれの美しさも堪能。
マイク・ニコルズ『ハリウッドにくちづけ』ではメリル・ストリープの毒親となってスターウォーズのレイア姫の実体験を映画化。老いた姿もまさに体当たりで表現!女優魂。
ビリー・ワイルダー『アパートの鍵貸します』ではエレベーターガールに扮した(コスプレが似合う!)独身ガールと哀愁の独身男なジャック・レモンとのラブストーリーが泣ける。
マイケル・アンダーソン『80日間世界一周』ではまさかのインド人!ソールバスのEDクレジットも洒落てて楽しい。
おつかれ気味になってくると欲するアッバス・キアロスタミのイランのゆるさ。
『そして人生はつづく』は実際の地震後に『友達のうちはどこ?』のロケ地の子たちを探しに行くロードームーヴィー仕立てで、実際の災害と演出がごっちゃになったどこまでが計算なのかわからないのにラストシーンまで切り取り方がさすがな一本。
デヴィッド・リンチ『ストレイト・ストーリー』はリンチの撮る時速8キロののんびりロードームーヴィーだけど、改めて観ると随所にリンチらしさが溢れていてほっこりだけじゃない素晴らしさと懐の深さに唸る。
世界の底辺...というか知られざる姿を露わに映画化。
ワン・シャオシュアイ『在りし日の歌』は文革からの一人っ子政策などに翻弄される中国のある夫婦の物語。生まれた国によって背負わされるそれぞれの人の運命と背負うもの、かなり重厚な話の中に出てくる家庭料理も気になりすぎた一本。
これみた数日後に万頭作った!そしてフェンネルの餃子も美味しそうだから作る!
ロネ・シェルフィグ『ニューヨーク 親切なロシア料理』はロシア料理とゾーイ・カザンとケイレブ君に釣られてみたけど料理はほぼ出てこず。とはいえNYの底辺を這いつくばるDV夫から逃げる母子と訳ありな人たちの不器用だけど優しい映画でよかった。
待ってました!なミランダ・ジュライ『さよなら、私のロンリー』は配信のみ。
ご本人も出なくなって個性派モダンダンス見られないの残念だけど、分身のようなエヴァン・レイチェル・ウッドの不器用で挙動不審でハスキーな声でナイスキャラ。アーミッシュ崩れの底辺親との閉塞的な暮らしと、その関係から世界を切り開く新たな出会いとその過程の細やかなディテールはさすがの繊細さ。
ピンくの泡が溢れ出す家賃500ドルの家にも満たない家、からラストの返品の金額まで。
よくもまぁと、毎回好きにならずにいられないミランダワールド。
劇中、何度も流れてはブツギレされてようやく最後でかかる"ミスター・ロンリー"
といえばハーモニー・コリン『ミスター・ロンリー』も大好きだし、ますます好きな曲になりました〜
サン・ラーの激ヤバチープ・トリップ暗黒SF映画!ジョン・コニー『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』もようやく観た。少しでも彼の脳内を覗けるありがたーーい内容で、その言葉選びとか天才すぎて泣く。そしてブラックパワーーーー!!!で号泣した。
9月にみた映画22本
1. ローランド・エメリッヒ『パトリオット』
2. ヴィンセント・ミネリ『花嫁の父』
3. アラン・ロブ=グリエ『危険な戯れ』
4. ビリー・ワイルダー『あなただけ今晩は』
5. ウィリアム・ワイラー『噂の二人』
6. フリッツ・カーシュ『チルドレン・オブ・ザ・コーン』
7. 押井守『天使の卵』
8. マイク・ニコルズ『ハリウッドにくちづけ』
9. アッバス・キアロスタミ『そして人生はつづく』
10. マイケル・アンダーソン『80日間世界一周』
11. アリ・アスター『ミッドサマー』
12. ジョン・コニー『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』
13. 岡本喜八『肉弾』
14. ワン・シャオシュアイ『在りし日の歌』
15. ビリー・ワイルダー『アパートの鍵貸します』
16. デヴィッド・リンチ『ストレイト・ストーリー』
17. 山賀博之『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
18. ミランダ・ジュライ『さよなら、私のロンリー』
19. ロネ・シェルフィグ『ニューヨーク 親切なロシア料理』
20. アラン・レネ『六つの心』
21. ラリー・クラーク『ブリー』
22. マイク・リー『ヴェラ・ドレイク』