Films:Mar.2025『夫婦善哉』ほか

3月に観た映画14本
1.山田洋次『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』
大竹しのぶがぴちぴちでかわゆい。わたしも食堂でカツ丼と冷奴食べたいっ!
まさかの寅さん部屋爆発回。
平戸の街並みも良いし、お土産の伊勢エビ。猿はどうした?
2.ジャック・ドレー『太陽が知っている』
遠い昔に見た時はこの良さわかってなかった!改めて観てそれぞれの思惑と挫折と折り合いで大人〜。
篭バッグバーキンはもちろんのこと、汗染みるリネンシャツで颯爽と現れるモーリス・ロネの大人な男の魅力よ〜。
逆に伊丹十三みたいで痺れる。
プールサイドの黄色いテーブルセットやそこで食べるプチデジュネ
コンランショップで売ってそうな背中に優しそうなソファなどなど、インテリアも素敵すぎた。
3.メル・ブルックス『プロデューサーズ』
悪趣味ぐだぐだ。大失敗して儲ける筈が何の因果か大成功!なドタバタコメディ。
悪わるなプロデューサーも、タオル手放せない会計士にナチ残党脚本家とみんなオカシイ中で、
オーディションで現れるLSDのキャンベル缶ネックレスにバナナ食べるのが一番アホすぎて最高。
4.降旗康夫『居酒屋兆治』
やったらに豪華な役者陣。居酒屋でくだまく伊丹十三に"市役所"タンクトップジャージー姿の細野さん。
ふわっと出てくる武田鉄矢。若奥さんの石野真子と大滝秀治の住んでるお家の眺めと縁側いいなぁ。
健さんと田中邦衛の安定の絡み。
肝心の怨念系むかしの女、大原麗子怖すぎる。昭和のこの辺の方達、こういう女好きだよねぇ。
5.ルネ・クレマン『危険がいっぱい』
焼け付くような日差しのニースの海岸から仕掛けたっぷりなお屋敷に呼び込まれるアラン・ドロン。
怪しすぎるジェーン・フォンダお手伝いサンと謎の未亡人の狙いが少しずつ明らかになるサスペンスも楽しいし、
真っ黒ネコチャンからキジトラ子猫チャンにジョブチェンジのくだりも最高。
猫好きならこんな暮らしも悪くなさそうさね。Jimmy SmithsのThe Catはこの黒猫なのね!
6.豊田四郎『夫婦善哉』
放蕩息子な森繁久彌と芸者上がりの淡島千景の危ういようでいて、ふわっとくっつくいい関係。
夫婦でなくても夫婦らしい、健気な千景さんが可愛いし、ダメダメだし、オバンとか呼ぶけど憎めない森繁久彌のキャラも好き。
前半の間借りの屋根で荒ぶる猫やイッヌなどのエキストラ達も良き。
ライスカレーと夫婦善哉いつでも一緒に食べていられる夫婦でありたいわーん。
7.ロバート・マリガン『おもいでの夏』
1943年のニューイングランドの島のどこかの風景と、俺の思い出な15歳の夏ほ初体験。
うざすぎる友人や、憧れた大人の女、映画館やドラッグストアのあれこれ、と青〜〜〜すぎる体験の数々。
甘酢っぺぇ。ミシェル・ルグランの音楽も切なさマシマシ。
8.スティーヴン・スピルバーグ『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』
はじめてみた続編。崖から落ちながらチーズバーガー!と叫べる人でありたい!
9.ルイ・マル『私生活』
ボディも生き方も奔放なB.B.そのまんまに、消費される女。
マルチェロヤン兄が最高に格好良い期でこちらもまた素敵。
暇を持て余しすぎてカーペットで迷路遊びしたり、町でもらって来たうさぎのおもちゃが良いアクセント。
ふわっと生きてる感じのB.B.が不安すぎるなかの、群衆の愚かさ。どちらも相まって最悪のラストの描き方も素晴らしい。
10.松山善三『名もなく貧しく美しく』
戦後の貧しさのうえに、聾なデコちゃんが、健気に強く生きてゆく。
湿っぽくなりすぎないのがさすがのデコちゃん演技。
小林桂樹の優しすぎる夫もまた良すぎる。
夫婦のシルエットの手話や本来なら届かない距離での二人の会話。
爽やかすぎる加山雄三の登場からのラストがえぐい。
11.工藤栄一『野獣刑事』
全てのシーンに情報量が多すぎて大変。
ギトギト赤シャツの緒形拳も、シャブ中泉谷しげるも、ぶっ壊れすぎていて最高。
スピった絵売る益岡徹も、人形の赤ちゃんあやしてる芦屋雁之助もナチュラルに存在している感じが民度やばすぎな底辺大阪の日常。
絶対に幸せになれない、いしだあゆみの結婚してぇ〜が切ないし、
ラストの少年のチャリで走る公園の後ろを走るイッヌまでずっと忙しない画面。
12.キリル・セレブリンニコフ『チャイコフスキーの妻』
チャイコ氏の妻、目線のロシヤ。びちゃびちゃ暗黒な雰囲気はとっても好みなものの、
暗黒すぎた妻の闇とラストのダンスで置いてけぼり食ってしまった。
インフル病みのペトロフは結構好きだったので残念。
13.ジャンヌ・モロー『思春期』
戦争前夜の穏やかなヴァカンスのひととき。
穏やかな田舎だけど、両親もなかなかだし田舎の村社会も描かれているけど、どこかのんびり見えてしまうのはきっと南仏補正のせい。
イケメンユダヤ人丸メガネ医者に恋心抱く少女の心もたまらなく可愛いし、母さんに取られちゃの悲しすぎる。
幾原脳で観てしまうとアドゥレセンス黙示録!で、満月の夜にカエルとか月の雫集めててわくわくしちゃう。
こういう魔女的ばーさんがしかもシモーヌ・シニョレで好きすぎる。厨二女子心をくすぐりまくる。
ちらっと出てくるミシェル・ブラン。
音楽フィリップ・サルドでどこまでも好みすぎで流石すぎるジャンヌ・モロー。
14.ロバート・マリガン『アラバマ物語』
子供の目線(と、ハム目線)からの南部の差別が厳しい時代を真っ直ぐに戦う父親を思い出すあの夏から秋。
謎の隣人ロバート・デュバル出てきたの若すぎるから初めわからなかった!いい役すぎて泣いた。
社会の理不尽を知り、無害なツグミは殺してはいけない。