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Films:Apr.2025『リュミエール』ほか

03 May 2025
202504

4月に観た映画15本

1.ハーバート・ロス『グッバイガール
軽妙なNYのおとなたちのラブコメでカラッと良き。
娘っこのオマセ具合もかわゆい。あの時代のメディテる人とか、変な人たちあれこれ見本市。
どんなに浮かれても土砂降りのなかおとこのギター振り回したら絶対怒られそう...と恐怖。
雑な感じのパスタディナーが美味しそう〜

2.ポール・シュレイダー『ハードコアの夜
家出した娘を探す、敬虔な硬派カルヴァン派のとーちゃん。
硬派ほど怒ると怖いものはない、無敵のとーちゃん。
アメリカ70年代末期の欲望のみが溢れている雰囲気がなんかすごい。
シスコの坂道急すぎるなかで荒ぶる姿が胸熱。
役に立ちそうで連れてきたヴィーナス教の女の子の住む世界が違う立ち去り際が哀しい。
ジョージ・C・スコットってなんとなく実の父を思い出すから複雑な気持ち。

3.中村登『夜の片鱗
惚れてしまったら負け、みたいなズブズブな泥沼に埋もれてゆく女の凄みオーラが半端ない桑野みゆき。
顔面のお直しがなんか気になりすぎるけどそれもまた、やさぐれ感マシマシ。
他出演者の顔面が弱いなかちょい役な文太さんが目力強すぎて目立ちすぎる。
逆にレフンみたいな青と赤の強めのネオンの色彩をすでに意図的にやってたり、絵作りのセンスが素晴らしかった。

4.山田洋次『下町の太陽
向島の工場勤めな倍賞千恵子。
行き着く先が団地暮らしの奥様が理想の時代に、自分の幸せはなんだろう?と悩む姿が美しい。
京成線に花やしきに、のあの辺のピカピカで途上な雰囲気もなんか戦後の元気感じる。
交通整理始める東野英治郎とか、いまより逆にアレな方への接し方が緩やかで優しい世界。
下町育ちの親の青春時代もこんなだったのかなー?と思うと余計に色々考えちゃう。

5.ジェームズ・L・ブルックス『愛と追憶の日々
親子それぞれが自由に恋愛子育てしているのはいかにもアメリカって感じ。
仕事したことない(キリッ)なママさん街道まっしぐらなデボラ・ウィンガーはある意味幸せだよねぇー。
と、母娘のこんな関係なかなかないよねー?とか思っちゃうよねぇー。
幾つになっても、ビラビラのドレス着ててもキュートなシャーリー・マクレーンはすごいな。

6.中村登『土砂降り
二号さんの母の元に産まれた松竹梅なお名前つけられた兄弟の複雑な育ちと、線路沿いの蒸気機関車が行き来する南千住の温泉マーク。
因果応報すぎる松ちゃん岡田茉莉子の悲恋の末のあの豹変ぶりなのが怖すぎる。
ライティングに煙にの演出も冴え渡る
めっちゃ土砂降り。竹な田浦正巳がイケメン〜!

7.ピエール・グラニエ=ドフェール『帰らざる夜明け
村で一人強く生きているシモーヌ・シニョレのもとに転がり込んできた訳ありアラン・ドロン。そりゃ〜拾っちゃうよねぇ。
そしてよく働くアラン・ドロン。強がってても、ころりと女になるのが切ない。
卵羽化機から夢描いたところが最高潮。
ラストシーンも痺れる素敵さ。
煮込みや丸ごと生ハムがやたらと美味しそう。

8.中村登『古都
失われた京都が美しく観られるだけでも幸せ。岩下志麻の着物姿も綺麗すぎてうっとり。
観光ムーヴィーみたいなの挿入されたりするのに武満音楽とでATGっぽいアートさもあったり。
クレーインスパイア帯や、杉の帯など、なかなか攻めて楽しい着物の世界。
宮口精二父さんの性癖が気になりすぎー!

9.レジス・ヴァルニエ『フランスの女
愛に生きたというか、ナチュラルボーンビッチな女すぎてなんかもぅ。
フランス人なかよくありそうな話だけど、色々中途半端な感じであちこちのロケ地や時代も生きてないような。
エマニュエル・べアールか美しいのだけが救い。

10.中村登『紀ノ川 花の巻・文緒の巻
花から華へ。まさに激動な明治大正昭和の時代のそれぞれの時代の女三代。
ハイカラさんな岩下志麻はもちろん新時代な女性を体現していてわかりやすいけど、
まだまだ家に縛られていた女の司葉子の凄みのあるまた別の強さの女の生き様も素晴らしすぎる。
反抗してキャンキャン怒るのだけがフェミニストじゃないよね。なんかぐっときた。
陰翳礼讃な日本家屋の雰囲気、影の具合やしっとり具合も失われた美しさ。
菅原文太が全然わからなかった!先生?
有吉佐和子、読まなきゃな。

11.ジャン=ガブリエル・アルビコッコ『別れの朝
ほわんほわんの画面で繰り広げられる愛憎劇。
一応戦争中だしドイツ軍に占拠されてるんだけど緊張感無し。場面展開が突飛だから、とても好物なディテールと話のはずなのに退屈だった。
そして戦時中の細眉カトリーヌ・ジュールダンはなんか合ってないような。

12.ジャンヌ・モロー『リュミエール
おんな4人で別荘のプールでわきゃわきゃしているOPからして最高の映画予感。
中年の女たちそれぞれの悩みと欲望とわがままに差し込む死の予感のにおい。
真っ赤な衣装のジャンヌ・モロー様素敵すぎるうえこんな映画撮ってしまうだなんて最強すぎてひれ伏すしかない。
ナイフコレクションのベッドルームや、それぞれの部屋もおしゃん。
元旦那のくれたマティスに同じのウチにある、って言える図々しさとか細かなシチュエーションが素晴らしい。
インタビュアーの女の子がめちゃかわ♡

13.中村登『風の慕情
さゆりスト観光inオージーからのフィリッピン。
全てが唐突でついてゆけぬままに説教されてtheEND!若い頃のほっそい石坂浩二が演技下手すぎてびっくら。
セクシー成分抜け落ちたトニー・レオンみたいでした。

14.アリーチェ・ロルバケル『墓泥棒と失われた女神
終始色味と雰囲気がどうしたって好きなタイプの映画。
おばあちゃんがイザベラ・ロッセリーニ。ダウジングが得意な英国人とイタリアちゃん。
乾いたトスカーナ地方の田舎町の雰囲気。綺麗にして会いに行くのにそのTシャツ!好き♡
全ての糸が手繰り寄せられる暗闇からのラストがロマンティックすぎるで。

15.ハンス・シュタインビッヒラー『ある一生
ハイジの如くにアルプスの山奥に連れて来られた孤児の一生。
壮大な山の自然な過酷さとともに生きる男の達観したような生き様の強さよ。
起きて半畳とはよく言ったもので流れるように部屋を借り、転々と生きてゆく姿に胸を打つ。
人が死にロープウェイが出来、戦争を経て観光地化してゆく山の風景の変化。
やってくるもの、どうしようもないもの、しかなのないものそんな人生の数々。
原作本も読んでみたいな。

Category: Movie

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2025.05.03 12:00 PM