Films:Oct.2024『ヴェルクマイスター・ハーモニー』ほか
10月にみた映画19本
1. 五所平之助『猟銃』
白い蛇を飼ってる山本富士子似合いすぎる。岡田茉莉子に鰐淵晴子に美人が過ぎる。
ぞわぞわする台詞連発のお見事な不倫劇。文句のつけようがない世界。
佐分利信達の住む自宅のインテリアも素敵過ぎるし、蜘蛛の巣みたいなおしゃれ椅子にすわる茉莉子様。
蒲郡クラシックホテル行ってみたいなぁ〜!
2. ローランド・ジョフィ『シティ・オブ・ジョイ』
アメリカ人医師が〜挫折して〜自分探しに〜コルカタに〜やってきたぁ〜。
そんな気はしたけど、美味しそうなものは一切出てこず、ハンバーガー欲しながらも奮闘する(迷惑)の図式。
モリコーネどこぉ?ってかんじの手抜き過ぎな音楽も含めてスパイス効いてない感じ。
3. フランシス・フォード・コッポラ『ワン・フロム・ザ・ハート』
ただでさえ虚構のようなラスベガスの街をセットに仕立てて、天井も見ててるしなんかとてもチープで良き!
そんな中でのただの倦怠期の二人の喧嘩をぐだくだと。ナスターシャ・キンスキーのダンスと衣装、胡散臭いハリー・ディーン・スタントン。
4. 成瀬巳喜男『妻よ薔薇のやうに』
このお父さんがなぜー?ってのは置いといて、二人の妻の間でやきもきさせるのと東京と長野、世代の違いで我慢しっぱなしのお母さん達の我慢強さよ。
泣
戦前の街並みの美しさ、千葉早知子のモガっぷりをはじめ、女性陣の顔面がつよすぎる。
5.ロバート・エガース『ライトハウス』
初めましてのロバート・エガース。真っ暗闇のモノクローム画面に男二人。
ほぼホラーなセイレーンなどの神話や、古典的なあれこれ。ヒリヒリした二人の関係もゴシックな怖さもなかなか。
"キレイな顔"なロバート・パティンソンもぶっ壊れる。
6. ジョージ・キューカー『椿姫』
高級娼婦の輝かしいところから、出会ってしまった運命の人との悲恋。
男爵と若き青年との間を行き来して、身をやつしても恋焦がれる女の壮絶な姿を流石のグレタ・ガルボのやつれても艶のある姿が泣ける。
ひとときの幸福な田舎暮らしがまた良かったぁ。プリンダンス嬢の鳥の巣ドレス🐣
7. デヴィッド・ハミルトン『テンダー・カズン』
はぁぁぁ、たまらない好き要素溢れてで幸せやぁ。
戦争直前のフランスの田舎のお屋敷、登場人物大杉!ヒゲのやっと生えてきた美少年と輝く従姉妹にメイドにと乙女達に囲まれてキャッキャっ。
ドイツ人の哲学的おじさんがいちいち良いこと言う。
ルー大柴みたいなソドミスト父さん、婚約者のドジっ子と大人の男たちもキャラ強めで好き。
8. 斉藤耕一『海はふりむかない』
やたらとパヤパヤ、ヨーロッパ映画のような構図が冴えまくる。被爆二世の話が後半から重め。
広島の公園の丹下建築も映えてる。そんな雰囲気のなか突然はじまる輝彦の歌唱タイムにびっくら。
9. スコット・マン『フォール』
コンバースで登るぅ???って思っていたら案の定。鷹の肉パワー!
10.クロード・ソーテ『僕と一緒に幾日か』
病院上がりのダニエル・オートゥイユが、各方面に不思議な魅力とパワー発揮する。
サンドリーヌ・ボネールのあのお顔タイプすぎる♡引越し先のメルヘンなインテリアでの謎ブルーカクテルを振る舞う、各種階級をごちゃ混ぜにするカオスなパーティー。
燃えるヤギ人形。アイロニー振り切って優しさなのかただの愛なのか、我儘なのか。
一筋縄では行かないそれぞれの心の揺れ動きをこんなふうに描く、流石のクロード・ソーテ!どこまでもついてく!
11. 山口和彦『ズベ公番長 夢は夜ひらく』
ギャルの原型みたいたジュクのズベ公たち!つよつよで勢いあっていいなぁ。
攻めすぎのブッダバーみたいなところ行きたい。ネチネチの金子信雄もキョーレツ。
12. フランシス・フォード・コッポラ『ランブル・フィッシュ』
越えられない壁、伝説の兄ミッキー・ロークのテンションと、素肌にサマーセーターのセクシー。
迸る若さの革ジャンマット・ディロン。鬱屈とした田舎の空気とモノクロの画面。
ボロッかすなデニス・ホッパー父さんもトム・ウェイツも渋すぎてかっちょちぃ〜。
終始漂う空気感がなんとも言えない。若いニコラス・ケイジの雰囲気もなんかすごいオーラ。
13. 小林正樹『この広い空のどこかに』
新しい時代の新しい夫婦像が眩しすぎて見習わなきゃいけないわ。
ささやかな幸せに幸せボールまで投げつけてくれる、非の打ち所がない優しさ。
夜分に味噌買いにくるおばちゃんにも優しくありたい、自営業の鏡!わたしも頑張る!
捻くれデコちゃんもいじらしく、みんな幸せになって欲しい。
14. ソフィア・コッポラ『プリシラ』
コッポラちゃんはもぅ、これしか出来ないんだねぇ。という限界ガーリィ。
ホテルのスイートも、アンニュイ女子も、つけまつ毛も、お腹いっぱいだす。言われなきゃソフィア・コッポラってわかんない。
15. 小林正樹『あなた買います』
現在進行形で巨人の星のアニメをみているせいでなんとなくタイムリー、だけどもこちらはどす黒い世界。どすんと重い仕立てで骨太。
16. タル・ベーラ『ヴェルクマイスター・ハーモニー』
"プリンス“の声と鯨と共に、広場にやってくる不穏な空気。暴徒に仕立てられる民衆とさまよう青年。
じっとりとした長回しで追ってゆく出来事と空気の変化。ハーモニーと不協和音。
こどもたちの奏でるノイズ祭りやハンナ・シグラの踊るラデツキー行進曲。抵抗の憂鬱という原作タイトルがしっくり。
17. 木下恵介『破れ太鼓』
ザ・昭和の家父長どころかヒトラーの如きワンマン親父がコミカルすぎて大変な阪東妻三郎。
転落後に山盛りカレー食べてニート次男の木下忠司のソフトパワー炸裂のやりとりが素晴らしい。これは惚れるわ〜。
藤沢でブローニュの森の霧を求める東山千栄子夫婦もお宅も良すぎる。
18. クロード・ソーテ『とまどい』
エマニュエル・べアール出てくるだけでパリジャン!って空気とセクシーさダダ漏れてて好きすぎる。
クロード・ソーテの映画自体フランス人!って感じの人生観溢れていてただのラブストーリーにならずにそれぞれの生き様が刻まれていて流石でやんす。
俺たちのジャン・ユーグ・アングラード♡そして明日は無駄に巻物ぐるぐるしたくなるし、自分の人生生きなきゃ!ってなる。メルシーボクー。
19. マイケル・ラドフォード『ブルー・イグアナの夜』
ふたたびの鑑賞。何度観てもとても良き。
サンドラ・オーって近所のおばちゃんと高校時代の親友に似てるからめちゃんこ親近感湧く。わたし、偏見ないの!の、脳みそとろけ気味なエンジェルちゃんに「アジア人でしょ?」「シアトル出身」のやり取り。それぞれの人生が交差しててほんと好き。