Films:Nov.2025『アニー・ホール』ほか
1.アンドレ・ド・トス『肉の蝋人形』
冒頭のやりすぎフォントから気合い入ってる。
はじめっからドロドロに溶ける蝋人形がトラウマ級。
地下室の熱々蝋の桶にしっかり飛び込んでくれてありがとう。
後半の弟子がチャールズ・ブロンソンだったのびっくり。
2.オタール・イオセリアーニ『ある映画作家の手紙。白黒映画のための七つの断片』
短いながらもギュッと凝縮されてたアイロニーとユーモア。
パリに移り異国の地でのスケッチ集って感じで、毛皮にワンコ、メトロと酔っ払い、カフェでの咀嚼集。
3.オタール・イオセリアーニ『月の寵児たち』
するりと流れて行く巴里の人々の群像劇。
あまりにもスムーズな繋がってゆく見事さと、底辺からブルジョワ、男と女が入り乱れるし、
割られまくる食器と、盗まれる毎に小さくなってゆく絵画。空っぽになる部屋に破壊させる屋敷。
積み上げられるものや暮らしの刹那がキリキリと突き刺さる。
いやー、すごいなぁ。
4.マリオ・バーヴァ『ファイブ・バンボーレ』
クラシカルなアガサ・クリスティを下敷きにロケーションからインテリア、ファッションまでモンド〜でオシャン!
プッチ柄ってリバイバルしたのも懐かしい。
冷凍室にぶら下げられてゆく死体で最後の晩餐を思い出すけどこっちが先か。
ウミリアーニの音楽まで、どこまでも洒落てる。
5.小津安二郎『風の中の牝鷄』
初めて観るこちらは思っている小津作品とだいぶかけ離れている雰囲気なのは戦後間も無くだからだけなのかな。
戦後やむなしに身を売った妻と怒り狂う夫。あの階段落ちた後の態度が酷すぎて泣く。
すでにボロボロなのに階段登ってゆく絹代様が哀しすぎる戦後の女、と男。
6.ウディ・アレン『アニー・ホール』
久しぶりのこちら。
映画のなかのお洒落といえば絶対出てくるし、改めて観てもお洒落すぎるダイアン・キートン!
惜しくも最近亡くなってしまって残念だけど、フィルムで永遠に焼き付けられているこの素敵さよ。
くっっっそ面倒くさいウディ・アレンおぢのあの頃たのしかったわー、なほろ苦すぎる終わった恋の回想。
「自分を会員にするようなクラブの会員にはなりたくない」の名言も、生きづらさも激しく同感しつつ、
こんなほろ苦な頃も過ぎてオバハンになって改めてみてもクスっとしちゃうし、もはや可愛い。
7.鈴木則文『文学賞殺人事件 大いなる助走』
ご本人も出演の、直木賞への私怨爆発する文壇を揶揄しまくるブラック。
当時の時代の雰囲気もビンビンなバブリーななかの同人誌のメンバーの内輪ノリや売れない作家の母ちゃんも最高。
原作は未読だけど、当時大変話題になったみたいだから読んでみようかな
8.オタール・イオセリアーニ『エウスカディ、1982年夏』
バスク地方の夏の祭りの記録。地方の濃厚な色が鮮やかに撮られていてそれだけなのにとても美しい。
バスク帽にエスパドリーユ、いまだとバスチーまで極東日本にまで伝わってくる文化つくってるって強い。
9.降旗康夫『冬の華』
続々出てくる豪華俳優に、常に情報量過多で忙しかった。なんだこれー。
車内で会話してる後ろで喧嘩おっぱじまって意味わかんなくて泣いた。
ヴァイオリンやるけどお気に入りはチャコのピアノ協奏曲な池上季実子。
昭和なカレー食べてオロC飲む小林亜星。
飲屋街の床置きの鉢とかおしっこ怖くてパチンってしてる健さんにもハラハラした。
刑務所の家具、昔近所のスーパーで売ってたな。丈夫そうだし欲しくなる。
10.山本政志『リムジンドライブ』
チョーリアルY2Kしてるギャルとチーマーはどっちも本物らしい。
逆にサンダーキャットみたいなベーシスト!ラストの服装とかもろじゃん。
ブルックリンの片隅で各色外国人たちの蠢いている暮らしがカオスで汚くて良い。
パキスタンとベトナム人の幅利かせてる感じ今の日本みたいだな。
11.アニエス・ヴァルダ『アニエス・Vによるジェーン・b』
アラフォーな個性強烈な2人が惹かれ合って作った熱量たっぷりのフィルム。
ラストシーンのオメデトウ!になんかグッと来た。
パンパンのバーキンバックにブルージーンズ、その他何着ても何しててもバーキン。
全瞬間、生きてる〜って感じが素敵。時々みせる不安げな表情もまた永遠の少女のようでいて魅力的。
アニエスの水玉だらけな格好にニャンコまで出演してくれててありがとう。
歳とっても自由に生きてくって素晴らしい。
ランカシャーホットポットは作ろ〜!
12.山田洋次『キネマの天地』
流石に錚々たるスターが続々。若い頃の有森也実かっわいーなぁ。
お隣の奥さんが倍賞千恵子で息子が満男でって完全に寅さん。
映画と時代の転換期の熱量と愛が溢れるさすが山田洋次な作品。
深作の蒲田行進曲にメラメラして制作されたってのもいいエピソード。
小津っぽい岸田一徳とても良い雰囲気。
隅田川から蒲田が遠い、っていうのが時代感じる。
13.オタール・イオセリアーニ『トスカーナの小さな修道院』
小さな修道院のある小さな町の暮らし。どこまでも大好物成分ばかりで見ていて幸せ。
素朴な暮らしと、祈る修道士。随所に挟まれる俗っぽさもいい。
全ての食べ物が自然でクラシックでとても美味しそう。豚を屠る、猪を狩る、ワインを造りオリーブを摘む。
生活と労働の一つ一つがささやかで愛おしい。
お一人暮らしのおっさん汚い家とデカい暖炉とニャン子の生活たまらん。
続編はないのかな。
14.ジャン=ジャック・ベネックス『ディーヴァ』
パリの街中での2本のテープ(K7?)をめぐるサスペンス。
みんな住んでる物件がだだっ広いアーバン物件すぎる。
父ボーランジェがいちばんいいとこ持って行っててイケメン。
アフリカとベトナム系移民の女たちが鍵を握っているのも無理な外国人枠って感じでなく自然で良いし、
終始美しさとロマンスに満たされたフレンチは今見てもかなり個性派で骨太で見応えあり
15.木下恵介『不死鳥』
佐田啓二デビュー作だそうで瑞々しい青年。女学生役でも何となく行けちゃうし許せちゃう絹代様。
戦時中でもブルジョワ達はええ生活。一瞬でも夫婦でいられただけで、っていう儚い時間が尊すぎて泣ける
16.オタール・イオセリアーニ『そして光ありき』
セネガルの少数民族のドキュメンタリーかと思いきやいきなり首なしとあるしでマジカル。
押し寄せる文明と失われる故郷。この土地に呪いあれプッッッ!
ロバと共に嫁を探す男の少しずつ装備増やされてゆくのとか、
教会が出てくるのとか、あっという間変わってゆく世界。
17.ジョン・ウー『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』
さらに続いていた男たちの挽歌。
変な髪型になってもかっこいいトニー・レオンとチョウ・ユンファの熱すぎるバディな潜入捜査。
もう幻みたいな香港のごちゃっとした逆に攻殻機動隊みたいな街並み、
どれもこれもキレ良すぎて笑っちゃうくらい素晴らしいアクション。
病院内での激しすぎる銃撃戦はハラハラが過ぎるし、期待を裏切らない脱出の火薬量ったらないっ!
いやー、いいもの観たわ。
冒頭にシュッとした國村隼出てた。
オタール・イオセリアーニ『蝶採り』
何とまぁ、キレのある作品だこと。
滅びゆく南仏の町の城での醜い親族争い。
みんな酷くてみんな良い!
お歌のレッスンのシーンのトリチャンの荒ぶりに泣いたし、長閑に暮らしているような田舎町にも忍び寄るテロや移民の波。
あの日本人のオッサンたちの滑稽さは切ないし"財"と書かれた門。
姪っ子?のオバスタイルが好みすぎるし、チャリに籠装着したくなった。真似しよ〜