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Films:Mar.2024『いのちぼうにふろう』ほか

02 April 2024
202403film

3月に観た映画17本
1. 小津安二郎『宗像姉妹
対照的な姉妹の絹代様とデコちゃん。デコちゃんのペロッがコミカルで可愛い。
戦後の取り残された夫、山村聡の哀愁とネッコの扱いがキュンだけどうまくいかなすぎる夫婦の結末がどよんとした後の京都の山は紫色。
と、歩み出す姉妹のラストで安定の小津してる。京都と大森にお家があるなんて羨ましい〜!
2. アンドリュー・バーグマン『あなたに降る夢
善人すぎるニコラスとブリジット・フォンダで安心してほのぼのしていられる。
NYもなんかのんびり平和〜。エンジェル係のアイザック・ヘイズ!
みるからにガメツイ嫁、出てきた瞬間から怪しいシーモア・カッセル。
3. 小林正樹『上意討ち 拝領妻始末
理不尽なお上の無茶を恐れ多くも三段活用しても、逆らえなかったお家だったけどそれでも小さな幸せは数年のみ。
ゴゴゴ...と怒る三船敏郎と、冒頭の試し斬りからラストの討ち合いまでの緊張感と、武家屋敷内の撮り方の美しさが素晴らしくてええもの観たなあと思えるどしっと重厚な作品!
4. ルネ・クレール『リラの門
カフェのカウンターからの各人の登場のしかたから洒落すぎて、子ども達による事件の再現シーンにと神シーンばかり。
三枚目の飲んだくれと芸術家二人パリの下町風情でいい男たちすぎて泣ける。
5. ジュリオ・ペトローニ『新・夕陽のガンマン/復讐の旅
家族皆殺しにされた復讐と、グランパ呼ばわりさせるリー・ヴァン・クリーフとの追いかけっこみたいな道中。
メキシコの家での名言(迷言)が最高だった。
6. 今村昌平『ええじゃないか
前半の暗めな画面からのラストに向けてのカラフルなええじゃないか〜と血の海が鮮やか。
泉谷しげるも草刈正雄も、露口茂もそれぞれ良い味出してるうえに、桃井かおり、倍賞美津子、田中裕子の女子三人も色っぽくてイイ〜!
7. ロバート・ハーメル『カインド・ハート
とても軽やかに、ザ・英国アイロニーが溢れた、娯楽サスペンスで飽きずにサクッと観られた。
オビワン八変化から、ラストのアッ!というオチまでお見事。
8. パトリス・ルコント『夢見るシングルズ
髪結い以前のミシェル・ブランの優男だけど結構頑張る姿が愛おしい。
独身専用アパートの廊下が真っ赤なところから、アネモネさんの住む部屋のインテリアもお洒落〜!
どこまでも理想の愛求める、おフランス人らしい二人の最後の姿が、ちょーズッ友になれそうでほっこり。
9. 岡本喜八『赤毛
柿の木から落ちてから少し足りない設定の三船敏郎がアツい。望月優子母さんもとーっても良いし、前半存在感薄めな乙羽信子が包丁振り回したあたりから、ええじゃないか先導するに至るまでがたまらない。
伊藤雄之助のへなちょこ代官や高橋悦史の浪人、寺田農はもちろんのこと、誰もが見事なテンポ感が流石の喜八印!
10. キャロル・リード『落ちた偶像
子供のピュアさが上に嘘つくところがそこ!っていうズレが捜査がややこしくなるのが面白い。
しかも大使館内ていうのがまたややこしさを増してる。原作もぜひ読んでみたい!
11. ジャン・ルノワール『マッチ売りの少女
ミューズであるはずのカトリーヌ嬢がオバさんに見えちゃう...けど、夢想シーンのガーリィなとことかはキュンとしちゃうし、気合い入った演出がさすがです!後付けの音楽が全てを台無しにしている。
12. ルイス・ブニュエル『自由の幻想
久しぶりに。便器のシーンが強烈に覚えていたけど、オヂサンからの卑猥すぎる写真、変人たちの集合する宿の一夜、モンパルスタワーからぶっ放す男、目の前にいる娘の失踪、などなどよくもまぁ、ってくらいのエピソード。
どれもこれもが不条理でどこまでもシュールな世界に脳みそ刺激されて楽しすぎる時間。
13. オムニバス『街の恋
そうそうたる監督たちによるオムニバス。恋ってタイトルだけど、自殺未遂にシンママのどん詰まりなど、結構ヘヴィーなの多め。
からのラストのやたらと軽やかな軟派なローマの男たちの視線でイタリア人の根っからの強さみたいなの感じた。
14. 小林正樹『いのちぼうにふろう
じめじめ、謎の島の深川安楽亭。居る奴らが皆怪しくてカッコいい。
やさぐれ仲代達矢もゲホゲホ岸田森も、いるだけでなんか落ち着く草野大悟も、その他皆良すぎる布陣!
紛れ込む勝新も飲んだくれてるだけなのに最高。
15. クリストーバル・レオン/ホアキン・こーシャ『オオカミの家
ぬちゃっとした質感と人体も建物もその他もドロっと溶けたように変形してゆく不気味すぎるチリアニメーション。
もともとのコミューンが狂ってるんだろうけど、そっから作られたってことで、かなりの悪夢体験。(もちろん最高に好き)
16. ポールヴァーホーヴェン『ベネデッタ
聖と俗の間を、狂言と神懸かりは紙一重でどっちなのか曖昧なままに、己の道を邁進するベネデッタの生涯。
エロスな表現も痛いのもてんこ盛りでエンターテイメント!わたしの中のジーザスもなんか笑っちゃうほど良い。
大切な聖母、あんなにされても喜んでしまいさらに大切にしちゃうんだもんね、ベネディッタさん!
そしてシャーロット・ランプリングも終始存在感あって最高。バルトロメア役のダフネ・パタキア嬢もちょー好みで良かったわぁ。
原作もぜひ読んでみたい。
17. ジュゼッペ・トルナトーレ『モリコーネ 映画が愛した音楽家
まさにマエストロな、モリコーネの偉大すぎる軌跡。アカデミック出身が故の苦悩と、持ち前の天才肌と職人技、時代とすべてが奇跡的に絡み合い生み出された映画音楽はやはりレベルが違う。
それぞれの名作へのくだりで、いちいちおぉーー!ってなるし、ワンスアポォン・ア・タイム・イン・アメーリカ!で胸熱。
ドキュメンタリー的にもとても肉厚に良くできていたのでヘイトフル・エイトの受賞でしっかり感動しちゃう。
ある夕食のテーブル他、未ソフト化の観たすぎる作品多すぎる。誰か〜!

Category: Movie

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2024.04.02 12:00 PM