Films:Nov.2024『王女メディア』ほか
11月にみた映画24本
1. バレリア・パリシ『プラド美術館 脅威のコレクション』
若い元気なうちに行かなかったのを後悔する国、スペイン。プラド美術館の至宝たちをジェレミーおんじが案内してくれる。
どこか独特の影と、パワーと、そして絶対的な美意識の強さがなんかすごいなぁ〜と憧れちゃう。
2. ジェームズ・キーチ『ヘンリエッタに降る星』
ザ・アメリカンドリームな油田映画であり、ニャンコ映画。演技うますぎるニャン!くたびれロバート・デュバルとのバディでほっこり。
石油ブシャーッ!っていう浪漫。
3. クロード・ソーテ『愛を弾く女』
この壁厚き愛せない男は"ギャルソン !"のイヴ・モンタン思い出した。
ただの三角関係ドラマとはやっぱりなんか違う、クロード・ソーテ。
心の暗部をそっと弾くような、ラヴェルの旋律と共にざわざわさせるのほんとうま過ぎる。
アイラインとリップをバキバキに決めてカフェに乗り込むエマニュエル・べアール嬢こぇー!最高ー
4. 今敏『パーフェクト・ブルー』
何度観てもゾクゾクするアニメーション。
今敏との出会いでもあり、当時エヴァとこれとでこういうカルチャーにどハマりした有難い出会い。
今みても色褪せないどころか、技術は格段によくなってもこの時間、空間の感覚表現のずば抜けたセンスは誰も越せない。
まだまだ元気いっぱいな秋葉原!
5. ノーマン・ジュイソン『シンシナティ・キッド』
漢の勝負inニューオリンズ。前後の少年との勝負が効いてる。
地味〜な感じだけど些細な揺れ動き、ムンムンな人妻に堕ちたのが運の尽き。
6. バリー・ウォン『広州殺人事件』
チャウ・シンチーの少林サッカー以前の作品、とはいえ監督でもなかったせいかイマイチ乗れず。
まさかの溥儀が梅毒で死去...となかなか。
7. 遠藤卓司『WXⅢ 機動警察パトレイバー』
パトレイバー殆ど出てこないけど、とり・みきが脚本のこれはこれでなかなか面白かった番外編的映画版。クオリティもなかなか。
8. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー第1章』
怖いもの観たさで実写のパトレイバー。3代目って設定のメンバーもノア以外割と似てる役者さん揃えてきてる。
何よりもチバシゲオ→千葉繁!!!ってご本人熱演してるのだけで胸熱。嘘みたいなパトレイバーもこれはこれで。
9. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー第2章』
各パートごとになんかやりたいことやり尽くしてて段々とこのシリーズ好きになってきちゃったよ。
10. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー第3章』
コンビニ回結構好きです。で、満を持しての押井回は熱海でこれまたやりたい放題。
イングラムのこの大きさと動きのぎこちなさがなんか愛せるし、ジャッキアップのシーンも癖になる。
11. ペネロープ・スフィーリス『反逆のパンクロック』
80sのUSパンクス、若者の鬱憤と爆発。それ以上でもそれ以下でもなくてもう老人になってみると迷惑だわ〜ってなる。
やっぱりUSサバービアなパンク、ダサ...ぃ...のと、フリーが出てるね
12. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー第4章』
回を重ねるごとに病みつきになってきている実写パト。
熱海に行きたくなっちゃう、まんま観光とガ⭐︎ラの怪獣のパートは見る人が観たらよりマニアックな設定なのかな?わかんなくても楽しい。
ボカンパートは太田莉菜ちゃんとワンコが大活躍♡千葉繁の漫画すぎるラスト
13. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー第5章』
カーシャゴルゴ回とクロコダイル回。カーシャの存在感がますます増してる。のと、熱川ワニふたたびで楽しい。
14. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー第6章』
アニメで観たことあるエピソードがちらほら。無理矢理のロング・グッドバイ。
15. 押井守『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』
ファンには人気ないみたいですが、始めは馴染めなかったもののここまで観てしっかりハマれてしまったのでまんまとしてやられたり。
2課の遺産を受け継ぐ後藤田さんはじめそれぞれの面子。カーシャが一番活躍してた。
声だけでしっかり復活してくれたしのぶさんや、上海亭までサービスしてくれる。
テロリストたちは弱々だったけど、実写でそれなりに魅せて貰えたのでお腹いっぱい。
16. ピエロ・パオロ・パゾリーニ『王女メディア』
冒頭のケンタウルス登場でクスッとしてしまうのから、少年の生贄の解体ショーでパゾリーニ 観てる!って感じる。
未開の地で流れる和な音楽とプリミティブな衣装に歌わないマリア・カラス。存在感だけでさすがのオーラと鬼気迫る演技。
17. 森永健次郎『若草物語』
オルコットのそれとは関係ない感じ?だけど4姉妹もので、それぞれ美人過ぎる〜。
戦後の若者たちってなんか眩しすぎるほどに自由で羨ましいよなぁ。
ピカピカの羽田モノレールや建築途中の東京駅。
日本が元気!女たちも元気!女たち元気で美しいけど、男たちがみんな角刈りで区別つかんかった...
18. ゲイリー・オールドマン『ニル・バイ・マウス』
ゲイリー・オールドマン監督、クラプトン音楽っていう興味深々なこちら。
ロンドンの労働者階級のなかでも、かなりアレなひとたちのグダグダな日常。
救いなさ過ぎるしなんならまた繰り返されてる学びのなさ。
19. ヴィム・ヴェンダース『セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン』
超初期ヴェンダース。ただよれよれの兵士をループして、カラーつけてるだけ。アートしてる。
20. ヴィム・ヴェンダース『シルヴァー・シティ・リヴィジデッド』
これまたありがたいような初期ヴェンダース。
人の流れる様から水面の流れに移った初っ端からドキっとさせられる。街の朝から晩までの人や車の流れ。
いきなり静止画がきてディストピアのような感じにもなり、テレビから無音で流れるストーンズに時折流れるSP盤からの音。結構好き。
21. ヴィム・ヴェンダース『リヴァース・アングル ニューヨークからの手紙』
アメリカに降り立ち、ハリウッド映画の制作に苦悩するヴェンダース。
コッポラとのやりとりから飯食いに行くとこ良いな。いかに映像に対する詩的な感覚を大切にしているかわかるような。
テレビであんなやかましいって言ってるヴェンダースは今の世はどうなっちゃうんだろ?
22. ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』
フランスの山荘で起きた事件から、夫婦のすれ違いや親子関係、それぞれの信頼と絆とはなんだろうか?と揺さぶられる法廷もの。
少しずつ明かされる家族の事情だけど、反比例するように真実は煙に巻かれるように進む裁判。
サンドラ・ヒュラーの演技が感情を押さえてるから余計に邪推させられちゃうし、わんこの表情が一番物語ってる。
23. コルム・バイレッド『コット、はじまりの夏』
現代版の赤毛のアンのような静かで優しい世界。乱雑で子沢山の実家から、明らかに丁寧な暮らしをしている叔母さんのお宅。
理想的すぎるアイルランドの農園で(住みたい)、自分を大切にすることを教わり、それぞれ不器用で傷を持った三人の静か過ぎる美しい日々。
クワイエット・ガールのラストのひとことの破壊力よ。
説明や言葉の多過ぎる疲れた日々に、井戸水のように優しく染み渡りました。
コットちゃんの可愛いワンピースも、アイリンのクリーンな着こなしも素敵すぎた。
24. ハミッシュ・リンクレイター&リリー・レイブ『1984年、ダウンタウン・アウル』
1984年前夜のアメリカはノースダコタに色々なものから逃げてきたような40歳のジュリア。
ビッグブラザーに見られているような、全て筒抜けな田舎町での暮らしのなかで何かを待ちつづけていたけど、
嵐のあとにようやっと人生歩める1984年!
細かな台詞表現も隅々までクスッとさせられた。
ハミッシュ・リンクレーターといえばThe Futureの印象しかなかったけど、ご夫婦でこんな映画制作しちゃってより好きになったわん。