Films:Dec.2025『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ほか
12月に観た映画13本。
今年は全部で197本鑑賞出来た。
まだまだ観たい名作もあるし、来年も色々な良き映画に出会えますように。
1.押井守『赤い眼鏡』
実写でも、もうちゃんと押井節全開で実験、舞台色も強くて好きなことしている感全開で楽しすぎた。
後に続くようなイッヌににゃん子に、廃工場や湾岸のロケーションなどなどはすでに確立されているし、実写の千葉繁はもちろん、その声ですぐわかる永井一郎に、ヤクザBの古川登志夫まで出演者も好きすぎる。そして立食い愛。
2.山田洋次『男はつらいよ 葛飾立志篇』
マドンナも、桜田淳子も華がない気もするけど、ガクモンに目覚めた寅ちゃんの安定のてんやわんや。
とらやの年末は餅作りで忙しそうなのに、ちゃんとお節も用意してるし家事スキルすごすぎるな。
あざとくチラつくブルドッグのソース。
考古学者のチェーンスモーカー小林桂樹に萌える。
3.オタール・イオセリアーニ『唯一、ゲオルギア』
ジョージアという国の地理的にも文化的にもとにかく巻き込まれている感じの散々な歴史。
アブハジアの近年の情勢は"みかんの丘"とかでも観ていて、否が応でもやってくる災難って感じが大変そうな国。いつだって恐ロシア。
そのせいか、とても強そうな精神力ななんかを感じさせる母国への愛と諦めのような空気も感じる。
なんかとても魅力を感じまくる国なので、いつかは行ってみたいと思う国。(ごはんも美味しそうー)
4.五所平之助『挽歌』
ワガママ放題の甘ったれな久我ちゃんが暴走しまくってる。
ママンにハズにアミって言葉遣いがレトロ〜で甘ったるい。
絶対に不幸しか見えない森雅之に美しすぎる高峰三枝子。
ブロック塀みたいな函館の物件良いなぁ。寒いのかな。
ロケーションがとても絵になるところばかりで良き。
5.森崎東『ロケーション』
久しぶりに。
テンション上がりまくりの西田敏行が帰ってくる間借りのキンキンの豆腐屋も無理やりな風呂も昭和過ぎて良き。
美保純と大楠道代の熱演に、殿山泰ちゃんと乙羽信子の一瞬の存在感の強さったらない。
映画愛になんかようわからん熱量にでぐっときちゃう。
6.オタール・イオセリアーニ『群盗、第七章』
いつの時代も大変そうなジョージア。
祖国で戦う人と移民する人、時代を超えて入れ子になるような構成もお見事。
当事者としてこそ語れるユーモアまじりな哀愁。
貞操帯から拷問器具のあれこれまで細かくてさすがです。
7.デヴィッド・ザッカー『裸の銃を持つ男』
やりすぎでコンプライアンスなど無い時代のアメリカのよき遺産。
リアム・ニーソンVer.も観てみたいな。
8.セルジオ・コルブッチ『さすらいのガンマン』
冒頭いきなりの皮剥ぎにゾワッとしながら、バート・レイノルズの変な髪型ジョーの無双すぎる!
モリコーネ音楽の途中に現れるハイテンションな人の声も気になりすぎる!
終始画面が決まっててかっこいいし、なんか変だし癖になるコルブッチ。
9.ジョン・G・アヴィルドセン『ジョー』
再鑑賞
やっぱりあの嫌〜なお食事会のデリバリー中華が食べたくなるやつ。
で、埋まらぬ世代間ギャップは、永遠のテーマだなぁと。
もはや老害と言われる世代になってより切実に感じる。
全然関係ないけどスーザン・サランドンが昔の友達にそっくりなんよねぇ。
10.オタール・イオセリアーニ『素敵な歌と舟はゆく』
ブルジョワとパリの街中の輩たちとのすれ違いと出会い。ほんとよく出来てる。
父さんアーニのキャラもジョージアな歌で仲良くなっちゃう男とイッヌ達の旅だちが素敵すぎてぐっときた。人生よ!
獄中から出てきたら変わってしまった街、
ネカフェが出来たりとかちょうど夢中になっていた頃のパリ!って感じこれまたグッときた。
街の喧騒、匂いが伝わって来る。
声の出演?のクレジットにマチュー・デミが居たけどわからん!
11.ポール・シュレイダー『魂のゆくえ』
ハンマースホイみたいな静謐空間で暮らす敬虔な神父のお手本みたいなイーサン・ホーク。
環境活動家の彼との出会いや腐敗しまくっているゴージャスな協会組織や地域の関係、
自分の健康諸々にうんざりしてタクシードライバー!ってワクワクしてたら、
スーサイドジャケットからパニッシュメントからの見事にするりと幕引いてくるの素敵。
タルコフスキーみたいな浮遊シーンも良きでした。
12.アレックス・デ・ラ・イグレシア『ベネシアフレニア』
現代の疫病こと観光客を目の敵にするヴェネチアの秘密結社。
ペスト博士ほか厨二心くすぐるマスク姿にISみたいな犯行声明ヴィデオ。
沈みゆく美しい都にオーバーツーリズムは日本も他人事じゃなさ過ぎるし、
スマホ手放せない人たちなどなど現代のダメなところをメタメタに殺しまくるのスゲ〜。
13.ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
2025年最後の映画はこちらで。久しぶりに見返したいなぁと思っていたのです。
終始不穏すぎる不協和音なジョニー・グリーンウッドの音楽と、ずーっと満たされないような何か蠢く男のダニエル・デイ・ルイスも怖いし、
出た瞬間から不安になるポール・ダノの第三の天啓教会の胡散臭さが最高にハマってて好き。
ラストのボーリング場のシーンまでスコーンッと突き放された何にもない感じが素晴らしい。