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Films:May.2024『枯れ葉』ほか

01 June 2024
202405_film

1. ジョセフ・ロージー『コンクリート・ジャングル』
終始カッコ良いカット、俺が全てをコントロールしていると思っていたのが幸せだったと、更に黒い人たちに転がされていた哀しみ。
他の囚人たちもキャラ濃ゆいしラストシーンもクール。だけど果てしなさそうな穴掘り...

2. マルティーヌ・デュゴウソン『ミナ』
だいぶ久しぶりの鑑賞。パリ、ユダヤ人街で育った二人のズッ友。
女同士の友情のリアルすぎる姿にヒリヒリ、そしてうまく大人の階段登る友と、乱気流のような人生と我が人生にハタとなる瞬間に胸が苦し過ぎて泣く。ダリダの歌う18歳の彼。
玄関開けたらゲンスブールの目👀は真似したいやつ。
追い討ちをかけるテレビからもゲンスブール。
70年代から90年代のそれぞれのパリジェンヌスタイルも可愛すぎる。

3. 山田洋次『男はつらいよ 寅次郎春の夢
日米セールスマン対決。強気に日本語で通す感じがなんか最高!みんなが叶わぬ恋して、でも優しさ溢れまくってて今日も平和な柴又。
天ぷらにステーキに宿賃貰ってないのに豪華な食事付き!
旅先の蝶々夫人の舞台にそっと後方から現れる殿山泰司。

4. ゴダール&トリュフォー『水の話
トリュフォー祭り中なのでこちらも。実際の洪水でこんなにノリノリで素敵な映画撮っちゃうこのお方たちよ。

5. フランソワ・トリュフォー『ピアニストを撃て
こちらも久しぶりの鑑賞。トリュフォーのノワール、そしてシャルル・アズナブールが主演。
なんとも味のある雰囲気醸し出すなかで、トリュフォー流のどこかユーモアあるノワールに仕上がってる。
ジョルジュ・ドルリューの音楽も好きすぎる最高。

6. フランソワ・トリュフォー『突然炎のごとく
地雷にも程があるジャンヌ・モロー怖すぎる。アムールの国だから成り立ちそうな三角関係+ファム・ファタルものの極み。トリュフォーのホラー。
幸せと絶望の緩急が素晴らしすぎるのと、物件探しうますぎるジュール。自由すぎるけど、女の身勝手と欲望と我が儘を全部出し切れちゃうのすごいな。
ジョルジュ・ドルリューの音楽も最高に素晴らしいし、ジャンヌ・モローたちのお歌のシーンも好きすぎるし、どこまでも色んなもの詰まりまくってる。

7. 曽根中生『唐獅子株式会社
OPの出所シーン二段階からオモロすぎる〜!やっさんに丹羽哲郎のアー写に、息子一八はフレンチ料理運んでくるしその他エピソードも出演者もてんこ盛りやぁ〜!
盛りすぎのせいなのか後半からだらけてくるんだけど、雨の中のダンスシーンやいきなり子沢山の杉浦直哉にどこまでも変な映画。で、丹羽哲郎のビール缶チョップで締め。

8. フランソワ・トリュフォー『柔らかい肌
CAさんのカーテン越しの脚、寝ている女のストッキング、嫁の落ちた写真拾う脚、どこまでも脚フェチ全開のトリュフォー様。
一番不倫に向いてないタイプがやっちまった果てがチーン。ゴゴゴ...な嫁が銃コートに隠し切れて無いのも良い。
新たに住もうとしている物件がMichel-Ange近辺で個人的に思い入れある場所なのでわーいってなった。

9. 成瀬巳喜男『流れる
ゆく川の流れの如し...のように流れ生きてゆく女たちよ!
みんなキャラ立ってるけど、杉村春子がすんごい。幸田文原作だからなのかしら、着物がみーんな素敵。カラーで観たかった!ほんわか要員のポン子ちゃんもいい演技してる。
三味線の音とミシンの踏む音のマッシュアップでクライマックス。最高です!
お隣がコロッケやさんで裏がラーメン屋さんとかたまらんですねぇ。

10. フランソワ・トリュフォー『夜霧の恋人たち
トリュフォー絶賛見返し中。こちらは見るたびに面白さ増す、エピソードの数々。
母性本能くすぐりまくりのドワネル君のダメダメさがラブ♡常に怪しくパリの街を走り回る。
デルフィーヌ・セイリグマダムにムッシューって言っちゃうところ始め、鏡の前で名前連呼するシーンもたまらなく好き。
あちこちに変なシーンも多いなかに、死と隣り合わせの性的なの挟み込むのもさすがです。

11. 成瀬巳喜男『あに、いもうと
多摩川沿いに暮らす兄弟たちの愛情表現が暑苦しさとひき加減とがいい塩梅で、灯籠流しとお盆の風景もとても素敵。
浦辺粂子かあさんの川沿いショップとデカすぎるおはぎが美味しそうすぎるー!
学生時代住んでいた鶴川駅が駅前のロケ地だそうでまーったく面影なさすぎてびっくり。荒くれすぎる森雅之もびっくり。

12. アキ・カウリスマキ『枯れ葉
カラオケバーに、ラジオに、電話番号書いたメモ。
あくまでもスマホなんかのない世界(貧困層ってこともある?)はカウリスマキしてる。
流れてくるニュースはロシア侵攻だし、観に行く映画はジャームッシュのゾンビのだし、ワールドカップやちゃんと今なんだけど。
どん底な枯葉の季節だけど、わんこに恋人に、って現れてほのぼの生きて行けたらイイジャナイ!と地味〜〜すぎるけどしんみり。
おばちゃんも場末のライブハウスでシンセポップバンドやりたい〜!

13. フランソワ・トリュフォー『家庭
シリーズで一番幸せ溢れているんだけども、クリスチーヌに妻になりたかったって言わせたり、浮気中に何度も電話したりでクソ男すぎるのに、ドワネルだとなんかトホホとなっちゃう愛嬌。
キヨコさんの"月券手レこしやカヾれ"や、ユロ伯父やマリエンバードなどなどの映画愛もわすれずに。
失われたパリの中庭のあの下町感。あの激狭いカフェー物件いいなぁ。すぐ閉店するドワネル花屋の小屋もいい。

14. アニエス・ヴァルダ『冬の旅
OPで結末。ヒッピーあがりヤギおじさんに、あれはヒッピーではないと言われ、汚れてボロボロになってゆくパンクすぎの屋根なしガール。
ラストのワイン祭りから罠にINでしんどい。アニエス・ヴァルダにかかると女子放浪一人旅もそれだけじゃないメッセージがキッツイなぁ。アメリカからやってくる菌!

15. 成瀬巳喜男『夫婦
倦怠期の夫婦のピリピリの間に、同僚の三國連太郎と同居って、羨ましすぎるんですけどーー!
上原謙の拗ねてるのもキュンです。この先もなんかちょっと心配な二人。
実家の鰻屋のお土産や、出前のチャーシュー麺と五目そば食べたい。つきたてのお餅焼いて食べてる男たち。

ドラマ:倉本聰『あにき

Category: Movie, 映画

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2024.06.01 12:00 PM