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Films:Apr.2024『The First Cow』ほか

30 April 2024
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4月にみた映画19本
1. ローランド・ジョフィ『ザ・ミッシヨン
南米の地の奥地へと布教する神父ジェレミー・アイアンズと奴隷商人から弟殺し、そして改心して神父になるデ・ニーロの二人が熱い。(リーアム・ニーソンはあんま目立たず)
そしてヨーロッパ各侵略国の都合で散々な目に遭う受難。モリコーネの音楽が流石に素晴らしくドラマチック。

2. クロード・ソーテ『友情
枯れてきたおじさん達のこれからと、日々。
いきなり納屋燃えてるのにあんまり気にせず、消化器はすごいなー、って言って翌週からDIYするフランス人最高。
モンタン、ピコリ、セルジュ三人とも良い枯れ具合の中にピチピチのドパルデューがいるのも良い図。
つねにワイワイガヤガヤのランチに日曜の集いに、どこまでもフランスの光景の中のおっさん達のラストシーンにグッとくる。
そしてフィリップ・サルドの音楽にと、こういう映画たまらんなぁ。

3. アキ・カウリスマキ『罪と罰
やっと観ることが出来たデビュー作。にして罪と罰!割とエッセンスだけ抽出してしっかりカウリスマキしてるの流石。
マッティ・ペロンパーの長い前髪ティモテみたいにするのや、三輪車で待ってるののとかたまらん。
エヴァちゃんのファッションもペロペロのコートが可愛い。

4. 小林桂樹『美わしき歳月
戦後に生きる若者のそれぞれの立場が厳しいなかで、ほろ苦いも甘いも経験してゆく姿がまぶしー!
斜に構えたフリする佐田啓やどっしりだけど軽やかに江戸っ子してるおばあちゃんが最高に格好よくてあんな風になりたいなぁ。
そして東京各地の街並みも綺麗。

5. ケリー・ライカート『ショーイング・アップ
ポートランドのアート一家の暮らしはなんか羨ましすぎるんだけど〜!
おばさんになっても、ミシェル・ウィリアムズのスタイルは可愛いけど真似したら火傷しそう。
そんな彼女の役を現すような繊細な焼き物と、相対するアジアな彼女のインスタレーション屋なのがわかりやすい。
猫チャンのエサになりかけた鳩が良い脇役(もはや主役!)イーサン・ローズの音楽もほっこり。その他選曲も、もちろん最高。

6. 増村保造『この子の七つのお祝いに
初っ端、夫の写真にザスザスする岸田今日子からして狂気MAXでアガる!
次々と出てくる豪華役者陣や岩下志麻と辺見マリの双子みたいなのも良い。
シャフトみたいな大野雄二音楽といいどこまでも楽しかった〜!

7. ジャン・ルノワール『ラ・マルセイエーズ
フランス国歌でお馴染みの、ラ・マルセイエーズがマルセイユから発生して革命へと向かうのは自由を何よりも愛するフランス人の気質がよーくわかるし、個人たちが革命に燃えるのも熱い。

8. ヴィンセント・ミネリ『炎の人ゴッホ
暑苦しく面倒くさいゴッホをカーク・ダグラスが。アルルの光のなかの黄色やぐわんぐわんに歪んでくる世界を再現しとる。
今なら逆にアウトサイダーで生きているうちに評価されそうだけど、早すぎた。
テオや郵便のおじさんや少しでも理解者いてくれてよかった。よかった。

9. アラン・モイル『タイムズ・スクエア
飛び立てなかったゾンビちゃんと、はみ出しっ子の二人の青すぎる青春迸る!甘酸っぱくてキュンです〜。
パミーちゃんがワイルドサイドでくねくね踊る姿が可愛すぎた。午前0時のタイムズ・スクエアでシンデレラみたいで良かったです〜

10. 佐伯孚治『高原列車が走った

美保純に釣られて。浅間山を望む青春ヤンキー達と国鉄時代、列車を増発させたい運動の先生。
教育委員などの協賛のせいなのかそんな雰囲気纏いながらの美保純の天然ガールなので何か消化不良。

11. 山田洋次『男はつらいよ 柴又より愛を込めて
久しぶりの寅ちゃん。マドンナの栗原小巻よりも美保純がプリプリ尻まで出しててかわいい〜。
いつ出るんだろー?って待ってた川谷拓三がロシア語辞書作ってて良すぎる。
頼れる兄貴な寅ちゃん!下田の街も離島も浜名湖の遊覧船もどこも行ってみたい過ぎる。

12. フランソワーズ・トリュフォー『大人は判ってくれない
久々の。どこまでも素晴らし過ぎさ溢れまくるトリュフォー。
あれこれの映画への目配せ、ご本人はじめジャンヌ・モローほかのカメオ出演などの遊びも楽しい。
護送車での涙から、ラストシーンの駆け抜けた先の海、J.P.レオー君の若き日のあの尖った視線が焼き付けられたフィルム。
友人宅のニャンコ多すぎ。

13. ケリー・ライカート『ファースト・カウ
ようやっと牛!ブレイクの言葉から始まる素朴な予感。
そして予想以上に優しすぎる西部劇。起業家精神たっぷりの中国人とベイカー男子は牛ともお話し出来る優男すぎてたまらーん♡彼の地で作られる原始なドーナツの美味しそうなこと。
招かれた小屋で真っ先にお掃除して、グリーン飾ったりと丁寧な暮らしさいこー!
ラストシーンの二人の姿までキュンと胸に優しく熱く沁みました。

14. 山田洋次『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
冒頭のジョーズパロディでさくらのニーハイ足のあたりからすでにキレ良すぎる始まり。
宇野重吉拾ってくる寅ちゃんも、文句言いながら風呂沸かしてくれるおばちゃんも愛ありすぎる。
太地喜和子のぼたんもいい女すぎて惚れるわ。常にテーブルにブルドッグソースの提供があるのも気になりすぎるし、うっかり明日は揚げもん食べたくなる。

15. ギャスパー ・ノエ『ヴォルテックス
ギャスパー・ノエにしては静かな、だけど誰もが逃れられない病と死を真っ向から淡々と描くの流石です。
二分割される画面で夫婦でも親子でも個としての生、孤独ってのを嫌でも感じるし、ダリオ・アルジェント爺たちの暮らすアパルトマンの迷路みたいな間取りとお宝いっぱいありそうな本やソフトの山積みを死ぬまで手放さん!って身内が一番困るやつからの商業的な葬式と墓場、片されて何もなくなる家...に言葉も出ない。
ソラリスの海で死んで、モリコーネにのって破滅のピークのシーンとか、どこまでも刺激的でした。

16. 小津安二郎『長屋紳士録
九段の鳥居から子供拾ってきて置いてく笠智衆。飯田蝶子の憎ったらしい〜!と睨みつける顔がまた良すぎる。
じわじわと母性愛出てきたところでお別れしても、流す涙はあの子のため(キリッ)ってのも江戸っ子っぽくてこっちが泣いちゃう。
いつか2ヶ月だけ保護してた子猫とのお別れの日思いだしちゃってしんみり。
戦後の西郷さんの下には火垂るの墓の清太さんみたいなのいっぱいいたんだね。

17. フランソワ・トリュフォー『あこがれ
恋もわからない少年たちの目覚めと、恋真っ只中のベルナデット・ラフォンの弾けんばかりのボディ!可愛すぎるスタイル。
足フェチやサドルをクンカする悪ガキ達の変態さもなかなか。

18. フランソワ・トリュフォー『二十歳の恋
若さゆえの恋でなかなかにキモいドワネル君。
恋のアプローチ方法が無茶してて、断絶応援したくなる。
荷物の少なさや蓋がスピーカーになるプレイヤー、俺の肖像画、どれもが愛おしい。すでに不器用ダメダメさが滲みでてるもの切ない。

17.チャン・イーモウ『上海ルージュ
艶やかな上海。なぜだかチャン・イーモウ観ると眠くなる現象が起きるんだけど今回も。目の覚めるような赤や夕暮れ時、夜間、マジックアワーみたいな青の色味どれも美しく撮られてるなかに、黒い社会の仁義なきやりとりがゾワっとする。あの少女や逆さ吊りにされた彼の未来よ。

Category: Movie, 映画

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2024.04.30 12:00 PM