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Films: July.2023『プロヴァンス物語』ほか

01 August 2023
202307 movie

7月にみた映画25本を振り返り。今月は結構観られたし、濃ゆいラインナップで楽しめた。
見返している作品も結構多め。その時々で感じ方も違うし、好きなもの反復してゆきたいお年頃。
アキ・カウリスマキ『愛しのタチアナ』とか、ヴィム・ヴェンダース『まわり道』は何度観てもいいよねぇ。十代ぶりに観たフランク・ロッダム『さらば青春の光』はもう完全に親側目線になっちゃってる。

ずーっと見たかったイヴ・ロベール『プロヴァンス物語 マルセルの夏』(LA GLOIRE DE MON PERE)
と『プロヴァンス物語 マルセルのお城』(LE CHATEAU DE MA MERE)
邦題とジャケが逆詐欺で酷すぎるんだけど、やっぱり見てよかった、大好きになるタイプの映画。
マルセルの夏はプロヴァンスの山奥で過ごす夏休み。
息子からみた父親の姿、偉大なる父からちょっとフツーってなってくるところまで含めての成長。町の子と山の子との出会いとか、でっかーーいパン抱えてるのとか、毎朝ママンがタルティーヌ作ってくれる風景とかどこまでも幸せ。ちょっとした描写もとても美しくていい現実逃避になりました〜!
マルセルのお城の方はそのタイトルの通りにこちらは母の思い出。初めての淡い恋と更なる成長。
リセにも行けなかった父を超えてしまいそうな僕の、最高な夏の思い出たちがなんともまぁ美しすぎる。
扉を開けてゆく展開、その後の話までどこまで本当なのかはわからないけど、よく出来過ぎて泣いちゃうわ。母ちゃんの3時間かかるプロヴァンス風煮込み美味そうだし、思い出のおやつやお屋敷で頂くガトー達まで甘いものが目につくのも素敵。マルセル・パニョルによる原作本も読んでみたい。

マルセル・カルネ『愛人ジュリエット
なんとまぁ、詩的な映画!ジェラール・フィリップの麗しき困り顔からしてたまらんけど、ジュリエット役のスザンヌ・クルーティエもまるでお姫様で良い。扉を開けるとそこは忘却の国。みんながみんな認知症な具合の悪夢感、夢から覚めた現実からの危険な扉の先の...まで好きすぎる世界観でした。U-NEXTに大量にジェラール・フィリップ投入されているので暫くは彼の映画を観ていそう。

お初のギャヴィン・ミラー『ドリーム・チャイルド
アリス三姉妹がいる英国風景だけでお腹いっぱいになるガーリィワールドで堪りません。
そして私たち以上に堪らなかった、ルイス・キャロルのこのロリコンめ!なギリギリな関係と時を超えて伝わった愛。あの夏のピクニック風景が眩しすぎる。
ジム・ヘンソンのキモカワパペットのスタッフに紛れてロン・ミュエクの名前もクレジットに!

で、7月最後に観たポール・ヴァーホーヴェン『娼婦ケティ』もかなり衝撃の良さ。
貧しすぎるオランダの貧民からののし上がりガール!影絵あそびに珍入するアレでがっつり心奪われた。今のところ配信のみというのが残念。

7月にみた映画
1. 阪本順治『愚か者 傷だらけの天使
2. ウォン・カーワイ『マイ・ブルーベリー・ナイツ
3. 鈴木清順『肉体の門
4. フランク・ロッダム『さらば青春の光
5. 今村昌平『楢山節考
6. ジョナ・ヒル『mid 90's
7. ウォン・カーウァイ『若き仕立て屋の恋
8. アンドレイ・タルコフスキー『殺し屋』
9. マイケル・トルキン『ニュー・エイジ』
10. ドン・シーゲル『ラスト・シューティスト
11. アニエス・ヴァルダ『アニエスによるヴァルダ
12. 増村保造『やくざ絶唱
13. イヴ・ロベール『プロヴァンス物語 マルセルの夏
14. イヴ・ロベール『プロヴァンス物語 マルセルのお城
15. ヴィム・ヴェンダース『まわり道
16. テッド・ポスト『ザ・ベイビー 呪われた密室の恐怖
17. ウィルソン・イップ『イップ・マン 序章
18. アキ・カウリスマキ『愛しのタチアナ
19. ウィルソン・イップ『イップ・マン 葉門
20. ウィルソン・イップ『イップ・マン 継承
21. マルセル・カルネ『愛人ジュリエット
22. ウィルソン・イップ『イップ・マン 完結
23. 清水宏『恋も忘れて
24. ギャヴィン・ミラー『ドリーム・チャイルド
25. ポール・ヴァーホーヴェン『娼婦ケティ』

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2023.08.01 4:00 PM