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Twin Peaks

19 October 2016
Twin Peaks

2017年放送予定の”ツイン・ピークス”の新シリーズ。
続々とティザーが公開されており、何やら界隈がワラワラしている今日この頃です。
1991年の2ndシーズン最終話にてレッドルームでのローラの台詞、
“25年後にまた会いましょう”から約26年。
まさか本当に作るとは思わなかったと不安6と期待4くらいの割合で待ちわびております。
当時中学生であった自身としては土曜深夜一番のお楽しみであった”ツイン・ピークス”。
あれから25年以上も経ってしまえば登場人物もご老体だらけだし、
切れ味が落ち気味&ミュージシャン業ばかりのリンチにもいささか不安がある。
しかし、ボブ化したクーパーのその後が気になるのでやっぱり続きが見たい。

と云うわけで、新シリーズに備えての再鑑賞。
ジャケまで手作りの自作ビデオBOXは機材的に見ることができないので、
DVDセット発売時に無理して手に入れたBOXセットをこの度開封。
今回は時系列で”Fire Walk With Me / ローラパーマー最後の7日間”から。
パイロット版+全29話と約一ヶ月の夜のお楽しみをツイン・ピークスに費やす。

ツイン・ピークス”が何度観ても面白い理由としてはキャラ設定の濃さもさることながら、
至る所で顔を出す、ありとあらゆるリンチ的な二面性の表現。この辺りに飽きない訳がある。
ホワイトロッジとブラックロッジの善と悪の対立であったり、リンチお得意のブロンドとブルネットの
対比であったり、一人ひとりの人物に潜む純潔と不潔の二面性などなど。
と、まことに人間臭いテーマによるところが大きい。
表面的に平和だった街と個々の人々それぞれに潜んでいた悪が噴出し、飲まれると云うあまりにあんまりな結末。
クーパー来訪によりひっかき回されたんじゃあないのかと、と云う気もしなくはないが、
テレサのケースやアールとの因縁から全ては必然であったとも云える。つまりボブ化する運命だったと。
街の不安感を煽りまくる演出から始まって、最後のボブクーパーに追いかけられるシーンの冴えわたる恐怖まで、
この頃のリンチの手腕はかなりのものかと。

そして物語に一役買っているのが、リンチ作品でお馴染みの作曲家のアンジェロ・バダラメンティ作のテーマ。
更には劇中でも度々登場するジュリー・クルーズのウィスパーボイスがこの世界観を決定づけている。
’80年代から現在も運営されているレーベル、4ADの創始者アイヴォ・ワッツがレーベルの歌姫を集めて
展開したプロジェクト(バンド)でThis Mortal Coilの楽曲、”Song To The Siren”(’83)と云う曲があります。
1970年リリースののティム・バックリィ曲をCocteau Twinsのエリザベス・フレイザーがカバーして歌い上げる訳ですが、
リンチはこの曲がえらくお気に入りで、バダラメンティにこんな感じの曲を要望したのは結構有名な話。
1st、2ndシーズン、劇場版サウンドトラックに加えて、リンチ&バダラメンティがプロデュースの
ジュリー・クルーズの1st、2ndは名盤中の名盤です。

Listen on Apple Music
Twin Peaks (Original Soundtrack) - Angelo Badalamenti
Floating Into the Night - Julee Cruise
The Voice of Love - Julee Cruise

Julie Cruise / Falling

This Mortal Coil / Song To The Siren

そんなかんなでシリーズを観終えて脱力気味の今日この頃です。
monaminami開店当初からツイン・ピークスに登場するメニューを再現したいと常々思っているのですが、
未だに実現できないのが少々残念。
紅葉の季節にぴったりのツイン・ピークス
来年には公開される新シリーズに向けて是非鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

今週は定番のモナミチキンカレー。
ケーキ類は無花果のマフィンや栗のマフィン、チョコチップスコーン、塩キャラメルスコーンなどを
日替わりで焼いております。塩キャラメルスコーン大人気です。
秋のいちばん人気の焼き甘栗紅茶と合わせてご賞味下さいませ。
地味にご好評いただいているテイクアウトにカレー弁当(650円)も是非。

: otom