Kingdom
2017年公開に備えて観た"ツイン・ピークス"のついでで、久しぶりに"キングダム"を鑑賞。
数々のハードな鬱映画を世に生み落とすデンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアーの'94年から'97年に
公開されたシリーズもので、当時はデンマークの"ツイン・ピークス"とも云われておりました。
監督のラース・フォン・トリアー本人もデビッド・リンチの影響を認めつつ、左手で作ったような作品を心がけたとの事で
そこらのテレビシリーズとは一線を画す出来となっております。
簡単な説明としてはデンマークの国立病院を舞台にした群像劇。
一応、オカルト、ゴシック・ホラーとの事らしいけれども、あまりに色んな要素が多い上に異様異色のオンパレードなので、
一言で表現するのは難しかったりする。
そんな、"キングダム"でありますが、'90年代後半以降の鉛のごときズシーんとくる重苦しい作風("イディオッツ"は除く)と
根底には共通するテーマがあるにせよ、より皮肉とユーモアが際立っており、印象は大分異なる。
どの作品も基本的にやりたい放題やっている感じのラース・フォン・トリアーなのですが、
この"キングダム"に関しては詰めに詰め込みまくるユーモアと世にも奇怪なオカルト要素の組み合わせで
何か陽なフィーリングで映画作りをとても楽しんでいる様にも見受けられる。
シリーズものだからなのか、この頃は鬱病が表立ってなかったからなのかは定かではないけれども、
ドグマ95の誓いもそこのけにやりたい事をやっている様な具合。
更には大量のフラグをブチまけてことごとくしっかり回収しているかと思えば、
一番大事な続きの3rdシーズンが主人公級の役者死亡により作れないと云う、伝説レベルの放置と実に凄まじい。
ラース・フォン・トリアー作品の多くに出演するウド・キアーの奇怪さも問答無用で他の作品をぶっちぎりで凌駕する。
うすら寒くなってきたセピア色の季節にうってつけの"キングダム"。
ラース・フォン・トリアーがいかに鬼才か良くご理解頂ける作品かと思われます。
再び”キングダム”の世界に戻る際には、善も悪もあることを心得よ。
今週は定番のモナミチキンカレー。
ケーキはりんごとさつまいもマフィンとレモンケーキ、大人気の塩キャラメルスコーンなどご用意しております。
秋のいちばん人気の焼き甘栗紅茶と合わせてご賞味下さいませ。
地味にご好評いただいているテイクアウトにカレー弁当(650円)も是非。
: otom
Category: Lunch, monaminami, Movie, カフェ
Tags: David Lynch, Lars von Trier, Udo Kier
2016.11.02 3:00 PM