monaminami

我輩は猫である

31 May 2017
我輩は猫である

"我輩は猫である、名前はまだない"
日本で一番有名な書き出しではないかと思われる、夏目漱石先生のこの作品。
久々に市川崑による映画版をみたので読み返しています。
珍野苦沙弥=仲代達矢、迷亭=伊丹十三というコンビはとてもぴったりで、
二弦琴の師匠が緑魔子、車夫の女房が春川ますみもとても魅力的。
鼻子さんが岡田茉莉子なのは美人すぎる気もしますが
茉莉子さんのツンケンしたおばさんはさすがです。
個人的に好きなエピソードは、猫の餅踊りのところ。何度も声を出して笑ってしまう。

ようやくの事これは前足の助けを借りて餅を払い落すに限ると考え付いた。まず右の方をあげて口の周囲を撫なで廻す。
撫なでたくらいで割り切れる訳のものではない。今度は左ひだりの方を伸のばして口を中心として急劇に円を劃かくして見る。
そんな呪まじないで魔は落ちない。辛防しんぼうが肝心かんじんだと思って左右交かわる交がわるに動かしたが
やはり依然として歯は餅の中にぶら下っている。ええ面倒だと両足を一度に使う。
すると不思議な事にこの時だけは後足あとあし二本で立つ事が出来た。何だか猫でないような感じがする。
猫であろうが、あるまいがこうなった日にゃあ構うものか、何でも餅の魔が落ちるまでやるべしという意気込みで無茶苦茶に顔中引っ掻かき廻す。

流石、愛猫家の漱石先生の猫の描写はきゅんとします。
そんなことから「すべての安楽は困苦を通過せざるべからず」と云う第四の真理を経験してしまう猫さんです。
アイキャッチはいつだかに本郷の旧居跡にいた猫。名前はまだない。

今週はひよこ豆のキーマカレーです。
焼き菓子はチョコチップスコーンに甘夏マフィン、スパイシーバナナマフィン、酒粕ケーキ(ラムレーズン入り)
そば粉のショートブレッド(そば粉100%)などを日替わりに焼いております。
熱くバテ気味なこの頃は自家製ジンジャーエールが人気です。ソーダ割やお湯割がありますのでお好みでどうぞ。